第4回 25歳の若手社員が、私の「デジタル師匠」になった日。社長のプライドを捨てた先にあったもの

DX(デジタルトランスフォーメーション)が失敗する最大の要因をご存知でしょうか? システムの不具合でも、予算不足でもありません。「社長のプライド」です。

序列を捨てて「知恵」を拾え

結論として、DXを成功させる最短ルートは、社長が「教える人」から「教わる人」へ、180度転換することです。

私は50歳を過ぎ、会社では誰からも意見されない立場になりました。しかし、デジタルの世界では私は「幼稚園児」以下です。そこで私は、入社2年目、25歳の若手社員に「私の師匠になってくれ」と頭を下げました。

世代の歪みを解消する「リバース·メンタリング」

理由は明白です。私たち世代にとって「デジタルは学ぶもの」ですが、彼らにとっては「息をするように使うもの」だからです。

この感覚の差を埋めない限り、どれほど立派な戦略を立てても、現場では「社長はわかっていない」と冷笑され、形骸化していきます。トップが自らの無知を晒し、若手の知見を尊重する姿勢を見せることで、社内の空気は劇的に変わります。

IT用語禁止令から始まった「共通言語」

最初は「インプレッション」や「CTR」といった言葉が出るたびに会議を止めていました。若手社員は呆れ顔でしたが、私が必死にメモを取る姿を見て、彼らの説明も「社長にわかるように、本質的な言葉で伝えよう」と変化しました。

結果として、社内に「わからないことを、わからないと言える」文化が定着し、デジタル化へのアレルギーが消えたのです。

リーダーの仕事は「場」を創ること

最新のITツールを使いこなすのは、あなたである必要はありません。あなたの仕事は、それを得意とする若手や専門家が、最大限の力を発揮できる「場」と「文化」を創ることです。

今日、ランチの時間に若手社員を誘ってみてください。そしてこう聞くのです。「君が使っているそのアプリ、どうやってビジネスに活かせるかな?」

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PROFILE

株式会社三和 代表取締役 : 篠原章夫

某建材メーカーの営業を経て2005年に入社。
異業種からの転職でゼロから印刷業界に飛び込み、
デジタル化荒波で紙媒体が猛スピードで縮小する中、悪戦苦闘の日々を過ごす。

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