「デジタルを導入すれば、営業マンが汗をかかなくても注文が舞い込んでくる」 そんな甘い誘い文句に、私はまんまと乗せられました。
「魔法の箱」を買ったはずだった
結論から申し上げます。デジタルツールは「拡声器」であって、けっして「魔法の杖」ではありません。 3年前、私は意気揚々と最新のMA(マーケティング・オートメーション)ツールを導入しました。初期費用と年間契約で300万円。当時の私にとっては、崖から飛び降りるような投資です。しかし、期待は数ヶ月で絶望に変わりました。
なぜか? それは、ツールという「箱」だけを用意して、中身である「言葉(コンテンツ)」を疎かにしたからです。
ツールは「空っぽなメッセージ」を拡散する
理由は単純です。デジタルツールは、情報を届けるスピードや範囲を爆発的に広げてくれます。しかし、届けるべき情報の質を上げる力はありません。
かつての私は、ツールさえ入れればAIが勝手に顧客を見つけ、勝手に成約まで導いてくれると勘違いしていました。現実に起きたのは、中身のないスパムのようなメールを既存顧客に送り続け、大切な信頼を失うという最悪の事態でした。
例えば、印刷機のメンテナンスで忙しい顧客に対し、「当社の最新設備を紹介します」という一方的なチラシのPDFを送りつける。アナログな営業なら絶対にしないような「無礼」を、デジタルの仮面を被って行っていたのです。
投資すべきは「システム」ではなく「言葉」
結局、私はその高額なツールを一度解約しました。そこで得た結論は、**「デジタル投資の前に、顧客が泣いて喜ぶ一通のメールを書けるか?」**という問いに集約されます。
私たちが印刷業で培ってきたのは、顧客の想いを形にする力です。その「想い」がなければ、どんなに高価なツールも無価値な粗大ゴミです。
まず「中身」を磨き直せ
デジタルマーケティングの第一歩は、最新ツールの選定ではありません。自社の強みを再定義し、顧客が今、何を求めているのかを必死に考えること。
まずは1円もかけずに、あなたの顧客一人に向けて、心からの手紙(メール)を書くことから始めてください。それができないリーダーに、デジタルを使いこなす資格はありません。










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